#13 初のインフルでメインの病院清掃を1週間休業

 わが社の“ユニフォーム”は、夏は揃いのポロシャツ、冬はジャンパー。始めた当初は、アルバイトの服装もバラバラでした。しかし男女、年齢層とも様々で、現場に行った時、分かりづらい。特に病院の清掃ではどこの誰かが分からないと、問題が生じかねません。

そこで、すぐにポロシャツを作ってもらいました。色は“南海カラー”の緑はなかなか見つからないし、かといって、白は汚れが目立ちます。結局、無難な紺色に落ち着きました。やはり社名を入れたものを着ると、ポロシャツ1枚でも職業意識は高まると思います。

 これに、私は『カープ安全スニーカー』を履いています。広島に住んで、カープファンになった? いえいえ、確かにカープは気になりますが、ちょっと違います。カープとコラボしたこの安全靴が、非常に優秀なんです。初めの頃は一般的なスニーカーで作業をしていたんですが、剥離清掃の時、何度も滑ってひっくり返ってしまいました。そんな折、『カープ安全スニーカー』が滑らないと聞き、試してみたら非常にいい。真っ赤なデザインのものもありますが、私は白を買いました。結構売れているようです。ただ、安全靴は値段が高いので、アルバイトには強制していません。

 今は病院の清掃がメインで、平日2日間の午後1時から5時までと、土日の午前中。仕事をいただいてから、もう10年以上になります。また、飲食店の入った雑居ビルや、時期によっては神社なども清掃しています。

私の休日は、基本的に“仕事のない日”。ただ、仕事がなくても、平日の夕方から夜にかけてと土日は野球の練習や試合が入ってきます。今年5月から、『福山ローズファイターズ』という社会人硬式野球クラブの投手コーチを務めており、8月頭に全日本クラブ選手権中・四国予選を控えているんです。だから休みらしい休みは、自分の用事がある時にとる程度です。

 完全オフの日の楽しみは、宝塚歌劇団に在籍している次女(芸名:暁千星=あかつき・ちせい)の公演を見に行くこと。福山から宝塚まで車を走らせ、現地に23日は滞在して過ごします。場所が変われば、気持ちも変わる。仕事のことも、野球のことも、一旦はすべて忘れて、リフレッシュできます。

 そうやって心身ともに健康管理は心がけているつもりですが、今年、何と初めてインフルエンザにかかってしまいました。熱は388分程度で、薬を飲んですぐに下がったものの、2日ほどは体中が痛くて大変でした。何より寝ていても起きていても、腰が外れそうに痛く、どうしようもありません。しかも現場が病院だけに、完治するまで出掛けるわけにもいかず、結局仕事は1週間も休んでしまいました。

 野球をやめてから、ほとんど風邪を引くことがなかったので、久しぶりの発熱。実はプロ野球選手は、意外と風邪を引きやすいんです。野球で体力を使って免疫力がなくなるため、ヘタをすると毎週、風邪を引いていたくらい。そんな体調のまま投げることもしょっちゅうで、1試合完投して汗をかき、治ってしまったこともあります。今思うと若さと気持ちで、何とかなっていたんだと思います。

 

山内和宏(やまうち・かずひろ)氏略歴
 1957年9月1日、静岡県生まれ。駒澤大中退後、社会人野球のリッカーミシンを経て1981年にドラフト1位で南海(現ソフトバンク)ホークスに入団。83年には18勝で最多勝のタイトルに輝き、82年から85年まで4年連続二ケタ勝利を記録。90年のシーズン途中に交換トレードで中日へ移籍し、92年に現役を引退した。引退後は広島県福山市でビル管理会社を経営している。プロ野球12年間の通算成績は97勝111敗、防御率4・30。オールスターゲーム出場3回。