#21 雨の日はエレベーター内の床もこまめに巡回して対応を


 今回は、前回途中までお話したエレベーター清掃についての続きから始めましょう。
 エレベーターのカゴ内に使われている床材の種類はかなり多く、昔はゴムや塩ビ系のタイルでしたが、今では石材が主流になっています。石材を使っている場合、マットを設置してある現場は良いのですが、設置してない現場では、日常清掃に気をつけなければなりません。石の輝きを常に保つこと、それから雨の日は滑りやすいのでこまめに巡回して対応してください。また、液体はシミになりやすいので、早めに取り除きましょう。
 エスカレーターや動く歩道はホコリが付きやすいので、こまめに除塵しましょう。 エスカレーターのハンドレール、ハンドレールフレーム、照明、内外のデッキカバー、スカートガード(特に出入口)、カバープレートは毎日拭いてください。その際、洗剤を使わないように注意しましょう。
傘立ては使用中のことが多いので、意外にホコリなどで汚れています。契約の内外にかかわらず、ホコリを取る程度は心掛けましょう。 また、傘立てが壁にピッタリくっ付いていたら、すぐに少し離して置くようにしましょう。壁にくっ付いていると、水滴によって出たサビが移って、取れなくなってしまいます。 サビといえば、立て看板などが地面に置いてあると、金属でできたものはどうしてもサビてしまいます。染みみ込んだサビはなかなか取れないものです。そうなる前に、看板の下を養生するなど、オーナーさんに提案してください。しっかり管理すればきれいに維持できますし、サビだらけの玄関ではいくら清掃しても見栄えが良くありません。
 最近の玄関は、吹き抜けのデザインが多くあります。玄関にも空調が効いていて、常に風が流れています。それだけホコリも高いところまで付きやすいということですね。照明と給排気口にはホコリが付きやすいので、必ずチェックしましょう。
 階段の裏側も、ホコリが積もりやすい場所。手すりには手アカが付きやすいので、手すりの側面も含め、定期的に拭き清掃を行いましょう。 前にも書きましたが、照明が切れているなど不具合があった場合は、まず上司に報告。オーナーさんに確認します。この『ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)』の必要性は、建物管理に共通するものです。契約内容や取り扱いの分からないものには触らず、まず責任者に確認してください。 『ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)』が必要になってくる例として、玄関ロビーや建物周辺に置かれた自動販売機があります。これは一般的に、自販機を設置した業者さんがすべての管理を行うことになっています。商品の補充だけではなくゴミの回収、ゴミ箱の清掃もその業者さんの仕事です。しかし実のところ、マメにできていない業者さんが多いですね。 そのあたりも気が付いたら、『ホウ・レン・ソウ』するように心がけてください。業者さんを呼んで、ゴミがあふれる前に回収、ゴミ箱や自販機の周囲を拭いていってもらいましょう。

新津春子略歴 1970年、中国・瀋陽生まれ。日本空港テクノ株式会社社員。「環境マイスター」として羽田空港で活躍。2018年よりハウスクリーニング「思う心」を率いる。20年7月、YouTube『新津春子の優しいお掃除チャンネル』を開設。