トイレは一つの空間にさまざまな設備があり、その汚れがにおい発生の原因になる場所です。ですので、まずにおいがどこから発生しているかを知り、そこをどう清掃するかが大切です。 主なにおいの発生元は、便器の周りに飛び散った尿、排水口、使用済みのおむつ、ハンドドライヤー。かび臭さの原因は、ハンドドライヤーの内部から来ていることが多いですね。
そのほかのポイントとして、水回りは水アカが付きやすいので注意が必要です。蛇口の周りはカルキが付きやすく、小便器、大便器は尿石が付きやすいので、こまめに清掃していきましょう。
そのほか、ほこりがたまりやすいのは換気口、便器の後ろ、扉やパーテーションの上、天井と壁の高所。扉関係はすべての個所にほこりがたまるので、拭き掃除を怠らないようにします。特に「クローザー」と呼ばれる金具の部分を見落としがちなので、ご注意を。
どうしても短時間で清掃し終えなければならない時、押さえるべきポイントは目線の高さと目線より下の部分。そこで目についた表面的な汚れを、まず重点的に落とします。具体的には大小便器、洗面台、ハンドタオルの表面の水滴、異物の拭き取りですね。それからゴミを捨て、消耗品関係をチェックし、不足していれば補充します。駆け足になりましたが、以上がトイレ清掃の基本的なチェックポイントになります。 トイレは不特定多数の人が訪れ、使用頻度の高い場所。常に行き届いた清掃が必要です。従ってトイレ清掃には、日常清掃と定期清掃の両方が欠かせません。
日常清掃でチェックするのは洗面器、大小便器、手が届く範囲の壁(扉を含む)、鏡、照明のスイッチ周り、ハンドドライヤー、チェンジングボード、床、ベビーチェア(ベッド)、ごみ箱、おむつ入れ、オストメイトなど。毎日除塵(ほこりを取り除く)し、手アカをふき取ります。トイレットペーパーフォルダーも忘れず、除塵しましょう。 洗面器、便器、ハンドドライヤーなどは毎日洗浄して前日の汚れや手アカを落とします。特に取れにくい汚れは歯ブラシ、手鏡、竹べらなど小物を使い、細かい汚れまで落としていきます(こういった小物については、また後で説明します)。金属や鏡など、光るものはすべて、光るように拭きましょう。この時拭き跡が残りやすいのでチェックし、必要に応じて乾拭きをしてください。見る角度を変えてチェックすると、よく見えます。利用者がよく触れる便座、洗浄用ハンドルなどは使用頻度によって、作業後定期的な消毒を心がけましょう。
一方、定期清掃ではパーテーション、床、壁、天井、給排気口、照明など全体の除塵を行います。場合によっては拭いてください。床の定期清掃は、隅っこ、便器の後ろ、角などが汚れやすいので、きちんと汚れを落とすようにしてください。また洗面器のトラップも、詰まりがないか定期清掃でチェックします。
持ち場全部の作業が終わったら、最後にひと通り、チェックしましょう。そこまで終えて、初めてすべての清掃作業が終了したということを忘れずに。
新津春子略歴 1970年、中国・瀋陽生まれ。日本空港テクノ株式会社社員。「環境マイスター」として羽田空港で活躍。2018年よりハウスクリーニング「思う心」を率いる。20年7月、YouTube『新津春子の優しいお掃除チャンネル』を開設。 |