#20 玄関清掃で見るべきポイントは「目線より少し上」

今回からは玄関の清掃について、説明していきたいと思います。 玄関はその建物の顔。会社であれば、どんな会社かお客様にとって第一印象を決める場所になります。従って、朝一番で清掃にかかり、利用者の出勤時間までにすべての作業を終えておくようにしてください。

 玄関の清掃にあたって見るべきポイントは、目線より少し高めの場所になります。目の高さより上のホコリや汚れを重点的にチェックし、取り除きましょう。

 具体的なチェックポイントを挙げていくと、自動ドアなどの扉、床全面、椅子、テーブル、案内板や社名の入ったプレート、看板類、金属及び什器備品類、その他、利用者が手でよく触る場所。これらは特に注意して見てください。

 こうした玄関の日常清掃には、主に次のような作業があります。 まずは玄関の外側から見ていきましょう。会社の看板などの素材は様々ですが、基本的には拭いて土砂を落とします。オブジェなどがある場合、オブジェ自体が契約に入っていなくても、除塵程度はしておきましょう。 玄関の外階段は掃き、拭き清掃。マットは掃除機を入念にかけて土砂を吸塵し、必要があればシミ抜きをします。

 建物の周りも、清掃範囲です。地面はもちろん、溝の中のゴミ、土砂、木の葉、吸い殻などを取り除きます。雑草は契約にもよりますが、できる範囲で取り除きましょう。 植栽も契約によって作業の仕方が変わってくるものですが、ホコリや枯れ葉は取り除いてください。また、駐車場のゴミも拾っておきましょう。

 玄関は内側も外側もガラスの多い場所。ガラス扉やガラススクリーンなどについた手アカ、扉の溝は毎日拭いて汚れを除去するようにしてください。  次に、玄関内側の日常清掃です。 管理室、受付は掃き、拭き清掃。エントランス全体のカベは、天井の高さにもよりますが、清掃が必要です。電話台などはホコリを取り除きます。電話機本体は契約範囲にもよりますが、中性洗剤を使って汚れを落とし、受話器を拭きあげます。郵便受けはホコリを取り、表面の拭き清掃を行います。 椅子、テーブルは除塵して拭きあげます。柱、案内看板、銅像なども除塵してください。床の隅はゴミやホコリが溜まりやすいので、注意しましょう。

 玄関内のマットは掃除機を入念にかけ、必要があればシミ抜きをします。これは、エレベーター内のマットも同様です。 また、シミをとった後はすぐには乾かないため、必ず2、3度乾拭きをしましょう。

 エレベーターは外側幕板のホコリを取り除いてから、三方枠、扉(特に開いた時の側面)、ボタンの手アカを取り除いてください。 カゴ内は外側と同様に全体を除塵し、床やマットは入念に掃除機をかけます。マットの下、扉の下の溝部分も忘れずに。除塵後は、カゴ内のボタン、扉、ミラー、手すりなどを水拭き、乾拭きしてください。 エレベーターの外側、内側ともに高所部分は、周期を決めて拭いていきましょう。 玄関の日常清掃についての説明は、次回も続きます。

新津春子略歴 1970年、中国・瀋陽生まれ。日本空港テクノ株式会社社員。「環境マイスター」として羽田空港で活躍。2018年よりハウスクリーニング「思う心」を率いる。20年7月、YouTube『新津春子の優しいお掃除チャンネル』を開設。