●地域別最低賃金改定目安 全ランク28円引き上げを答申
中央最低賃金審議会(会長=藤村博之・法政大学大学院教授)は7月16日、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について、全ランク共通で過去最高となる28円(3・10%)の引き上げを田村憲久厚生労働大臣に答申した。答申にあたり一部の使用者側委員が内容に反対する意見を表明し、採決を要請。反対少数で答申は了承されたものの、全会一致を旨としてきた審議会の在り方が問われる異例の展開となった。
●脳・心臓疾患労災認定 労働時間以外の負荷も考慮
脳・心臓疾患の労災認定基準の見直しを進めていた厚生労働省の専門検討会(座長=磯博康・大阪大学大学院教授)は7月7日、報告書案を大筋でまとめた。時間外労働時間が過労死ラインに達しない場合でも、労働時間以外の業務負荷が認められる場合には過重性を総合評価して業務と発症の関連性が強いと判断できることとする。
●インドネシア特定技能 11月に現地で評価試験を実施
(公社)全国ビルメンテナンス協会(JBMA)とビルクリーニング外国人材受入支援センター(ASCF)は7月15日、オンラインで『インドネシア特定技能外国人材2022年度採用雇用戦略説明会』を開催した。
●裁量労働制実態調査 実労働時間が長い適用者
厚生労働省が6月25日に公表した裁量労働制実態調査結果によると、裁量労働制の適用労働者の労働時間は、同種の業務に従事する非適用労働者の労働時間より長いことが明らかになった。
調査は19年10月31日時点の状況について、❶裁量労働制が実施されている「適用事業場」1万1750事業場❷裁量労働制が適用されていない「非適用事業場」1万5499事業場❸適用事業場で裁量労働制が適用されている「適用労働者」10万4985人❹非適用事業場で裁量労働制対象業務に従事している「非適用労働者」10万4375人を対象に実施した(有効回答率❶55・2%❷50・0%❸45・1%❹39・0%)。適用事業場に占める適用労働者の割合は24・6%で、内訳は専門業務型が20・9%、企画業務型が3・8%。
●大成 DX警備ソリューションを実現し運用を開始
総合ビルメンテナンスの大成㈱(本社・名古屋市中区、加藤憲司社長)は7月15日、東京都港区の品川シーズンテラスでアバター警備ロボット「ugо(ユーゴー) TSシリーズ」を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)警備ソリューションの運用を開始すると発表、同所で記者会見を行った。同シリーズは自動で立哨警備と巡回警備が可能で、同社はこれにより警備業界の人手不足の解消を目指す。
●2020年度過労死等労災補償状況 請求件数が減少
厚生労働省は6月23日、2020年度の過労死などによる労災補償状況を公表した。
これは過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害による労災の請求・決定件数をまとめたもの
●2020年度技能検定実施状況 新型コロナ禍で申請者も合格者も大幅に減少
厚生労働省は7月16日、2020年度技能検定実施状況をまとめ公表した。
技能検定制度は職業能力開発促進法に基づく制度。検定に合格すると「技能士」の名称が与えられる国家資格。21年7月1日現在130職種があり、等級区分は職種によって❶特級(管理者・監督者レベル)❷1級(上級レベル)❸2級(中級レベル)❹3級(初級レベル)❺単一等級(等級区分なし、1級レベル)のほか、外国人技能実習生を対象とした❻随時2級(中級レベル)❼随時3級(初級レベル)❽基礎級(基本レベル)の8種類がある。制度が創設された1959年度からの累計受検申請者数は1846万2956人、合格者数は763万7348人となっている。
●2020年度個別労働紛争 件数は前年度下回る
厚生労働省が6月30日に発表した「2020年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、相談、助言・指導、あっせんの内容はいずれも「いじめ・嫌がらせ」が最も多いものの件数は前年度より減少(文末注参照)した。一方で「解雇」や「労働条件の引き下げ」に関する相談や助言・指導は前年度より増加している。