令和4年2/28号【1941号】主なトピックス

社会資本整備審議会 省エネ対策を更に強化
 国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会の建築分科会(分科会長=深尾精一・首都大学東京名誉教授)は120日、建築環境部会・建築基準制度部会合同会議がまとめた報告案「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策、建築基準制度のあり方」を承認した。報告案は、建築物の更なる省エネ性能の向上建築物における木材の利用促進既存建築ストックの長寿命化を内容とするもので、「50年カーボンニュートラル」「30年温室効果ガス13年度比46%削減」の実現に向けた規制の強化や誘導・促進策が盛り込まれている。国土交通省は報告を踏まえ、法改正を含む制度の見直しを行う。

中央最低賃金審議会 目安制度の見直しに着手
 厚生労働省は126日、中央最低賃金審議会(写真左、会長=藤村博之・法政大学大学院教授)を開催し、採決による決定という異例の事態となった21年度の目安審議について、坂口卓厚生労働審議官が事務局として総括を行った。
 21年度地域別最低賃金改定額の目安に関する審議では、コロナ禍の影響などの評価を巡り労使間の意見の隔たりが例年以上に大きく、目安小委員会・本審ともに中小企業を代表する委員が採決による決着を主張。例年のように小委員会報告を審議会の答申とする合意に至らなかった。

最低賃金フォローアップ調査 2割が契約金額協議を申し入れ
 経済産業省を幹事とする官公需に関する関係府省等副大臣会議の第4回会合が23日に開かれ、昨年秋に実施した最低賃金額の改定に伴う官公需契約の金額見直しに関するフォローアップ調査結果が報告された。

外国人雇用状況 外国人労働者は微増
 厚生労働省は128日、2021年10月末時点における外国人雇用状況をまとめた。外国人を雇用している事業所は28万5080カ所(前年度比67%増)、外国人労働者数は172万7221人(同02%増)と前年度より増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で増加率は前年度に比べ事業所数で35㌽、労働者数で38㌽縮小している。

建設アスベスト給付金 関係業務も支給対象に
 建設業務従事者の石綿による健康被害に対する国の責任を認めた建設アスベスト訴訟の最高裁判決(21517日)を受け、議員立法で制定された「建設アスベスト給付金法」が119日に全面施行された。

●2021年労働力調査 非正規が2年連続減少
 総務省は21日、2021年平均の労働力調査結果を公表した。完全失業率は28%で前年と同率で、男性は31%(同01㌽上昇)、女性は25%(前年と同率)となっている。完全失業者数は193万人(同2万人増)で2年連続の増加。求職理由別に見ると「非自発的な離職」が56万人(同2万人増)、「自発的な離職」が73万人(前年と同じ)、「新たに就職」が50万人(同3万人増)で、新たに就職のうち「収入を得る必要が生じたから」が26万人(同2万人増)と増加している。

●2021年賃上げ実態調査 改定率は1・6%
 厚生労働省がまとめた21年の賃上げ実態調査結果によると、1人平均賃金の改定額は4694円(前年度比246円減)となり、3年連続で前年を下回った。改定率は16%(同01㌽低下)で2年連続の低下。

●業務改善助成金 特例コースを新設
 厚生労働省は「業務改善助成金」の特例コースを新設し、申請受付を開始した。2021年度分の申請締め切りは22331日。

●民間建築物アスベスト対策実施状況 要対応は約1.5万棟
 国土交通省は21日、民間建築物におけるアスベスト飛散防止対策の実施状況をまとめた。調査は春季建築物防災週間(2021年31日~7日)に都道府県を通して実施。1956~1989年に施工された概ね1000㎡以上の民間建築物を対象に、吹付けアスベストとアスベスト含有ロックウール(以下「吹付けアスベスト等」)への対応状況を集計した。

●建築物衛生法政省令改正 技術者の兼任要件見直す
 建築物衛生法政省令の改正政省令が2021年1224日に公布され、2241日から施行されることとなった。今回の改正は、217月にまとめられた「建築物衛生管理に関する検討会報告書」の提言を受けたもの。建築物環境衛生管理基準の「一酸化炭素の含有率」と「温度」の基準、建築物環境衛生管理技術者の兼任に関する規定が見直されている。