●2022年度地域別最低賃金 改定の目安を諮問
中央最低賃金審議会(会長=藤村博之・法政大学大学院教授)は6月28日、後藤茂之厚生労働大臣からの諮問を受け、2022年度地域別最低賃金改定の目安に関する審議を開始した。諮問では、大幅な最賃引き上げを目指す政府決定への配意を求めており、今年度も厳しい審議が予想される。具体的な審議は、この日設置された「目安に関する小委員会」で行われ、7月中に報告書がとりまとめられる予定。その後、本審での改定の目安に関する答申、地方最低賃金審議会での議論を経て都道府県労働局長が22年度最低賃金額を決定。10月頃から順次適用されることになる。
●副業・兼業ガイドラインを改正 企業に情報公表を推奨
厚生労働省は6月27日、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定する方針を明らかにした。閣議決定された骨太の方針2022などを受けた措置で、労働者の職業選択の幅を広げ、多様なキャリア形成を支援する副業・兼業を推進する観点から、企業に情報公表を推奨する。
●入国管理規制を緩和 観光目的の滞在も可能に
政府は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う入国管理規制について、6月1日から在留していた国・地域とワクチン接種の状況により待機期間等を見直すとともに、6月10日からは観光目的の新規入国を認める緩和措置を開始した。
●2021年度過労死等労災補償状況 支給決定は801件
厚生労働省は6月24日、過重労働による脳・心臓疾患や仕事による強いストレスによる精神障害に関する2021年度の労災補償状況をまとめた。請求件数は3099件(前年度比264件増)で、支給決定件数は801件(同1件減)、うち自殺未遂を含む死亡件数は136件(同12件減)となっている。
●障害者相談等状況 法違反への助言9件
厚生労働省は6月24日、障害者雇用促進法に基づく雇用分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に関する相談や紛争解決手続きの実施状況をまとめた。
21年度にハローワークに寄せられた障害者差別・合理的配慮の提供に関する相談件数は244件(前年度比0・8%減)で、内訳は障害者差別に関する相談が55件(同20・3%減)、合理的配慮の提供に関する相談が189件(同6・8%増)。
●2021年年労災発生状況 死亡者が4年ぶりに増加 新型コロナの影響も
厚生労働省は先頃、2021年の労働災害発生状況を公表した。休業4日以上の死傷者数は14万9918人(前年比14・3%増)で2年連続の増加、うち死亡者は867人(同8・1%増)で4年ぶりに増加となった。第13次労働災害防止計画(計画期間18~22年)では死亡者数15%減、死傷者数5%減(17年比)を目標としているが、いずれも未達成で、特に死傷者数は大幅に目標を上回っている。